キリスト教巡礼の地サンチャゴデコンポステーラ
私が大学4年生の頃、卒業旅行でスペイン人の友人を訪ねてサンチャゴデコンポステーラに行きました。それまで聞いたこともない地名だったので何てことない田舎町かと思っていたのですが、実はここ、とんでもない場所だったのです。
サンチャゴデコンポステーラ空港に降り立った私はお父さんと車で迎えにきてくれた友人と久しぶりの再開を喜びました。彼女の家の敷地は信じられないくらい広くて、想像する素敵なヨーロッパの田舎といった感じでした。朝起きて窓から見える景色は朝日に煌めく一面のブドウ畑でした。
敷地内ではワインやチョリソーを作っていていつでも飲み食べ放題で天国のようでした。彼女のお父さんは工事現場で現場監督をしているのですが、田舎なのでなんでも自分達で作るんだそうです。こんな感じで数日過ごした後、いよいよあの有名なサンチャゴデコンポステーラ大聖堂に連れていってもらいました。
ここはキリスト教徒巡礼の最後の地であり、イエス・キリストの十二使徒の一人である聖ヤコブの墓があることで有名なのです。サンチャゴデコンポステーラ大聖堂はそれまで訪れたどの大聖堂より壮大で荘厳で一歩足を踏み入れてあまりの緊張感に言葉を失ってしまいました。信者に振り掛ける聖なる煙を入れた聖杯が鎖に繋がれて宙を舞っていました。煙った先に見えた黄金に輝く礼拝堂は神々しく光って見えました。
キリスト教ではなくても行ってみる価値はあります。無宗教徒が多い日本人には馴染みの薄い場所ですが、訪れる機会に恵まれた私は幸せです。