友人とのスペイン旅行が決まった日から、私は本場の美味しいスペイン料理を楽しみにしていました。
そして、到着したその日、私たちは陽気なスペインの夜の雰囲気に引き込まれ、たまたま見つけたタパスを食べられるレストランへ入りました。
生ハム、アヒージョ、スペインオムレツ、などなど!初日ということもあり、見るもの全てが美味しそうで、サングリアを注文し、思う存分にスペインの味を楽しみました。大満足しながらレストランを出てホテルに戻りました。お酒も入っていたこともあり、私はすぐに眠たくなりベッドに入りました。
少し眠ったところでお腹に違和感と吐き気を覚え、目が覚めました。最初はお酒を飲み過ぎたせいかなと思いそのまま目を閉じていたのですが、その後急に強い吐き気に襲われて、急いでトイレに駆け込みました。それからは嘔吐と下痢の繰り返し。最後には胃液しか出ないのに、それでも吐き気はおさまりませんでした。
そして次の日の朝、心配した友人が海外旅行保険に加入した時にもらったリストの中から連絡先を探し、電話をかけてくれました。電話で最寄りの病院を教えてもらい、ホテルを出てタクシーを拾い、どうにか病院までたどり着くことができました。名前までは覚えていないのですが、大きい総合病院のようでした。
受付で症状を伝えると、フラフラだった私を見かねて、看護師さんが車椅子を用意してくれ、そのまま待合室へ。待合室にいると、ほどなくして診察室に呼ばれました。そこは総合病院と言っても、まさか日本語は通じず、念のために持って来ていた電子辞書を使って症状を英語で何とか伝えました。症状から言って食中毒が原因だったようです。
そしてその日は、治療らしいことは何もせず、薬とスポーツドリンクの様な身体に吸収されやすい飲料水、離乳食のようなものを薬局で買うように指示されました。ホテルに戻ってから、少しずつ買ってきた水を飲み、薬を飲み、安静にしてベッドに横になっていました。結局、楽しく美味しいはずのスペイン旅行が、どこにも行けず、何も食べられずベッドの中で過ごすだけに。
まさか自分が海外の病院に行くことになるなんて考えたこともなく、病院に着くまでは医療のレベルはどうなのか、施設は清潔で充実しているのか、英語は通じるのか、そして自分は英語で症状を伝えられるのか、など不安なことだらけでした。
でも、スペインの病院は日本の病院と大きな差はなく、看護師さんもお医者さんも親切で、丁寧に対応してくれました。もう二度と、体験したくはないけれど、これはこれで思い出深い旅行になりました。